学術会議関連で

この話題もなかなか消費しつくされずに燃え続けていますが、あれからまたいくつか考えたことを、箇条書き程度で書いておく。

 

菅首相や側近の皆さんにとって、ここまで燃え上がっている割に得たリターンが少なすぎるように見える(、というか実際何を得たのだろうか)ので、多かれ少なかれ想定していなかった状況かなとは思う

・これまで公になっていなかった任命拒否が一件、安倍政権時にあったとはいえ、前例を覆すにもかかわらず十分な説明をしないという点には、正統性の欠けるところがあり、油を注いでいる。実は前述の通りで、もし何も考えていなかったとしたらさもありなん

・学問の自由に対する侵害という主張は、問題の規模感がずれているようにも思えるし、一般の人たちの支持も得られそうにないという点で筋悪に見える。学術界にも民主的統制を加えるべきである、というのは一意見としてあり得ると思うし、一種聖域化されてきたところに菅政権としてメスを入れるというロジックは一定程度の有効性があると思う。

・一方で、専門家の相互間の監視という正統性確保機能が学術内部の基本システムであるし、これまで統制が効いてこなかったということではないと思う。また、学術会議の利権云々は、諸先生方の、おれたちゃ自分の研究したいのに手弁当で提言とかしてんねんぞという声で片付くと思う。なにより、我々が及ぼす民主的正統性を代理人として確保するはずの菅政権に、その資格があるかといわれると、個人的にはないと思う。まともに説明もしないし。

・では抗議をどのようにすべきかという点で、学会声明などが各会員からの投票などでなく、理事会決定で出されたりすることに対する、それにも正統性なんかないやんけ、という批判ももっともだと思う。

ということで特に落ちも結論もないが、結局これも、長い間少しずつなされてきた政府からの統制の一種であるように見えるし、その点で大勢に変わりはなく、私としてはあきらめムードである。ペーペーだし、自分のことでいっぱいいっぱいだし。いずれにせよ、個人としてこの任命拒否は間違いであると思うという意見表明だけはしておこうと思う。